税務調査は、法人が正しく申告・納税を行っているかを確認するために行われる重要な手続きです。
なかには「一体どこまで調べられるのだろうか」「どんな点が指摘されやすいのか」と不安に思う方もいらっしゃると思います。
本記事では、法人の税務調査の調査期間や対象、特に指摘されやすい項目について説明します。
税務調査はどこまで調べる?
税務調査の期間や対象は以下の通りです。
税務調査の対象期間
税務調査の対象となるのは、原則として過去3年分です。
ただし、申告内容に過少申告があると判断された場合には、調査の範囲が5年に延びることがあります。
また、売上除外や架空経費の計上など、故意に税金を逃れようとしたとみなされる悪質なケースでは、最大で7年間にわたって調査が行われる可能性もあります。
税務調査の対象
税務調査では、総勘定元帳や仕訳帳といった会計帳簿はもちろん、契約書、請求書、領収書、議事録、銀行口座の入出金明細などを幅広く確認されます。
また、法人通帳だけでなく、社長個人の預金通帳も事業と関連する不自然な動きがないか確認するため、提出を求められることがあります。
税務調査の流れ
法人の税務調査は、一般的に以下の流れで進みます。
まず、顧問税理士もしくは会社宛に税務署から電話で事前通知があり、調査日時や場所の調整が行われます。
その後、実地調査が始まり、社長へのヒアリングや経理担当者への質問を交えながら、準備した帳簿や資料の確認が進められます。
実地調査が終了すると、最終的な調査結果がまとめられ、会社に報告されます。
申告内容に誤りがあった場合は修正申告を行い、追加の税金を納付して税務調査は終了となります。
税務調査で指摘されやすい項目
税務調査では、次のような利益操作につながりやすい項目や、公私混同が起こりやすい費用が重点的にチェックされます。
- 売上の計上漏れ
- 銀行口座の入出金と売上計上が一致しているか。
- 棚卸資産の評価
- 期末在庫を意図的に少なく計上し利益を圧縮していないか。
- 役員報酬・役員賞与
- 事前に定めた金額通りか。
- 交際費
- 個人的な飲食代などが経費として処理されていないか。
まとめ
法人の税務調査は、原則として過去3年分を対象に、会社の帳簿だけでなく社長個人の通帳まで、事業に関連するあらゆる資料が調査範囲となります。
なかでも「売上の計上漏れ」や「交際費」といった項目は重点的にチェックされるため、日頃から適正な経理処理を心がけることが大切です。
もしも、調査の対応や事前の準備に不安があれば、税理士への相談も検討してみてください。